慶應付属3中学を知る

2つのキーワードで知る「慶應普通部」。【面接・入学志願書対策にもなります】

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たくと
たくと
みなさんこんにちは!

このブログは、慶應付属中専門の塾講師・家庭教師をしているたくと( @tact_roadtokeio ) がお送りしております。

さて、いきなりですが、

「慶應普通部の普通』の意味、分かりますか?」

もしちゃんと答えられそうでしたら、おそらくこの記事は読まないでも大丈夫です。

でももし「どういうこと?」となっていたら、ぜひ読んでみて下さい。

というわけで、今回から慶應付属3中学のそれぞれの学校について、深く知っていけるような記事を書いていきます。今回は慶應普通部についてです

慶應普通部のことを何となくは知っているけど、実はまだよく分かっていないなーという方を想定して書いていますが、面接対策入学志願書を書く際にかなり参考になるようにも書いているので、志望する予定の方はぜひ読んでみて下さい。

では、いってみましょう!

慶應普通部の本質は「2つのキーワード」に集約される。

慶應普通部の本質を表す2つのキーワード

さて、冒頭の質問とも関連しますが、慶應普通部の本質は2つのキーワードに集約されます。それは、

  1. 普通
  2. 人間交際

の2つです。

「ですよね!それはもちろん分かっています!」という方は、おそらく慶應普通部を目指すためにすでにしっかり調べている方かと思います。(この記事は読まないでも大丈夫です。)

でも、もしピンと来ていない方は必ず読んでみてください。おそらく面接入学志願書の対策にも大きく役立つと思います。逆にピンとこないままだと、面接入学志願書において大きなマイナスを作ることになってしまうかもしれません

慶應普通部はなぜ「普通部」という名前なのか?

慶應中等部であれば、「中学校もしくは中等教育の場」だから「中等部」という名前がついているのは分かりやすいですよね。

ではなぜ、慶應普通部は「普通部」という名前なんでしょう?

「普通」というと、今の日本社会では「平凡」とほぼ同義に使われています。だから、「普通部」という名前にも少し違和感を持ったりしますよね。

でも慶應普通部の「普通」には、実は別の意味があります。これは慶應普通部長(≒校長先生)の挨拶(2021年時点)から読み取ることができます。

「普通」とは、「普(あまね)く、通ずる」ことを学ぶことであり、普通部で「普通、普く通ずる」ことを学ぶことは、世の中がどのように変わってもとても大事なことです。

(「慶應普通部―普通部長のご挨拶」(2021年時点)より。)

そう、慶應普通部の「普通」とは、「普(あまねく)く通ずる」という意味、さらにもう少し噛み砕くなら「普遍的で広く通用する」という意味だと言えます。

すなわち、慶應普通部では、今しか使えない小手先の知識を学ぶような教育ではなく、世の中が今後変化して、どんな時代・どんな状況になっても、普遍的に通用するような知恵・知性を学べるような教育を目指しているということです。

慶應普通部の「普通」には、そんな意味が込められているわけです。

そして、そういった慶應普通部の教育スタンスを理解し、それに則って学びたいと思う学生・学ばせたいと思っている親御さんを、慶應普通部は求めているということが分かります。

慶應普通部は「人間交際」の場

そしてもうひとつのキーワードである「人間交際」。この言葉を聞いて、ピンときますか?というより、読み方が分かりますか?(「にんげんこうさい」ではありません。)

もし福沢諭吉のことを連想しているようでしたら、ばっちりです。

でももしそうでないようだったら、おそらく慶應のことをあまりまだ分かっていないです。

実はこの「人間交際」という言葉、福沢諭吉がヨーロッパから持ち帰ってきた“society”という言葉の訳語として使ったものです。

今では、”society”は「社会」と訳され、そして「社会」という言葉は日常で当たり前のように使われています。小学校や中学校の授業でも「社会(科)」という科目がありますよね。

でもそもそも、この「社会」とは、いったいどういう意味なんでしょうか?

(先生でもちゃんと答えられる人は意外と少ない。)

これは、すごく簡潔に言うと、「集まって生活を営む集団のこと」です。

僕らは、生まれた瞬間に「家族」という小さな社会の中にまず身を置き、そこで言葉をはじめ、たくさんのことを学びます。

その後、3歳や4歳になると「幼稚園」や「保育園」といった社会に属すようになります。血のつながりのない人たちと初めて生活を共にする社会です。

そしてその後、「教育」をテーマにした「小学校・中学校・大学・大学院」といった次の社会に属します。集まる人の幅は、どんどんと広がっていきます。

さらにその後、学校を卒業すると「働く」というテーマの社会に属していきます。

こんな風に、僕たちは生まれた瞬間から、人と関わって生きていき、その関わりの幅が広がっていくことで、人間的に大きく成長できるわけです。

その関わり(関係性)のことをヨーロッパでは”society”と言いました。一方で日本においてはその”society”に対応する言葉がなかったため、福沢諭吉はこの”society”を「人と人の間の交わり」すなわち「人間交際」と翻訳しました

でもこの「人間交際」という言葉は現代には浸透せず、「社会」という言葉が浸透して今に至っています。

でも、「社会」という言葉よりも「人間交際」という訳語の方がしっくりきませんか?

慶應普通部では、この「人間交際」という考え方がとても重視されています。これは先述と同様に慶應普通部長の挨拶にも表れています。

個人として成長するためには、他の人からの刺激が不可欠です。相手を互いに評価し合い、心をゆっくり通わせて、一生の仲間を育ててゆく「人間交際」の場に、普通部はなっていくでしょう。

(「慶應普通部―普通部長のご挨拶」(2021年時点)より。)

学問を学ぶことだけでなく、人と人との深い関わり合いを通して人間的な成長をしていきたいと思っている学生を普通部は求めているわけです。

慶應普通部を目指すのであれば、この点をしっかりと理解したうえで慶應普通部を志望したいところです。

ちなみにですが、「人間交際」の読み方は「にんげんこうさい」ではありません。「じんかんこうさい」と読みます。面接の際に絶対間違えないようにしましょう。

では最後に、慶應普通部の詳細を学べるように学校概要を載せておきます。

ざっと目を通しておきましょう。

慶應普通部の学校概要

正式名称

慶應義塾普通部

設立

1898年

所在地

神奈川県横浜市港北区日吉本町1-45-1
(東急東横線「日吉駅」から徒歩5分)
(東急目黒線「日吉駅」から徒歩5分)
(横浜市営地下鉄グリーンライン「日吉駅」から徒歩5分)

共学・別学

男子校

学期

3学期制

制服

あり。

進路(高校への進路)

塾内4高校(慶應義塾高校慶應義塾志木高校慶應義塾湘南藤沢高等部慶應義塾ニューヨーク学院高等部)の中から希望する学校に進学できます。(ただし湘南藤沢高等部への進学者数については制限あり。)

例年、ほぼ全員(約95%)慶應義塾高校に進学しています。

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というわけで、今回はこのあたりで。

もしまた読みたいと思っていただけましたら、ブログのブックマーク、もしくは更新情報を投稿しているX(旧twitter)のフォローをよろしくお願いいたします。また、指導依頼に関してはもX(旧twitter)のDMにご連絡いただければと思います。

ではでは、読んで下さってありがとうございました。

また次回、お会いしましょう!

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